『本家・北海道地質百選』について
『北海道地質百選』(Hokkaido Remarkable Geosites 100)は,日本地質学会北海道支部 北海道地質百選検討グループ事務局が 2008 年に立ち上げた画期的な北海道の地質紹介ウェブサイトで,今は亡き Adobe SPRY をプラットフォームとしたスマートなデザインが印象的です. この解説ページ を見る限りでは,Ajax + XHTML を用いたかなり高度なデータ管理・発行構造を持ったもののようです.構築や運営を外注したわけではなく自前開発のようなので,そのスキルにはちょっと驚きます.
以下ではこのサイトを『本家・北海道地質百選』と呼びます.
本家・北海道地質百選の全サイトのリストは ここ にあり,全部で 716 サイトがリストアップされています.このリスト中,担当欄が空欄なのは,まだ掲載されていないものと思われます.全掲載数は...(数えれば分かりますが)明記されていません.おそらく,2/3 ~ 3/4 が掲載済のように見えます.
私も 2009 年から 2012 年にかけて,この本家・北海道地質百選に 86 のサイトを投稿し,その大部分(すべて?-未確認)が掲載されています.
しかし,この本家・北海道地質百選サイトは残念なことに 2014 年以来更新が途絶えており,10 年近くそのままになっています.リスト一覧にあるサイトも,上述のようにかなりの数が未投稿・未掲載のままです.主要と思われるものでは,例えば『羊蹄山』が未掲載です.
この現状について,日本地質学会 2022 年度事業報告中の北海道支部の活動報告では『PC故障につき更新停滞中』となっていました...
内容やリンクなども既に obsolete となっているものがあり,更新が期待されるのですが,その可能性は低いようです.以下に,本家・北海道地質百選サイトについて個人的に気になる点をあげておきます.
・ページ横幅や画像サイズはピクセル固定されており,スマホ閲覧対応も行われていません.
・ページの中には,特殊文字コード(0x0B)の挿入による文字化け,じゃなくて “トーフ表示” がけっこうあります.なぜそういうことになっているのか見当が付きませんが,気になるところです.
・サイトのカテゴリー区分(遺跡・ジオパーク,とか)についても,個人的にはかなり納得できないものがあります.
・今や一般的な SSL 接続に対応していないので,アクセスするとブラウザに『Not secure』などと表示されるのは,実害はないのですがちょっと気持ちがよくありません.
苦言だらけになってしまいましたが,ディスってるわけではありません.主要なコントリビューターの一人として,貴重な『本家・北海道地質百選』サイトにおけるこれらの問題の解決を切に望むばかりです.
※ なお,この本家・北海道地質百選のダイジェスト版が,『北海道自然探検ジオサイト107の旅』として北海道大学出版会から 2016 年に出版され,私の投稿したものも 40 サイトが掲載されています.
この出版は,サイト数としてはダイジェストですが,掲載写真や記述は,ホームページ版に比べてかなり増補されている部分があります.下剋上...?!