地質調査のバイク達





私の卒業論文(1974年)の地質調査は,岩手県の山奥(奥火の土)で,毎日徒歩で調査ポイントまで行き,帰りは採取サンプルで超重くなったリュックを担ぎながらまたとぼとぼと帰ってくるというやり方で始まりました.
それが非常につらく,いっしょに卒論やっていたO君がバイクを使っているのを見て,うらやましい...で,次のフィールドで現地のバイク屋さんから『とっつぁんバイク』YAMAHA FB-50を中古で買いました.確か3万円だったと思います.当時の私には,どっかの舞台から飛び降りるような金額でした.
その後 YAMAHA RD-50と,原付2台を乗り継ぎました.FB-50 は,バイク乗りの面白さをはじめて教えてくれた相手として,思い出深いバイクです...が,写真は無い.

原付バイクを乗り続けるにつれて,やはりその能力(走破力・積載力)不足が気になりだし,一度小型二輪の実地試験を受けに行きましたが(当然というか)見事に落ち,思い切って自動車学校に通って中型二輪免許を取りました.

上の写真は,私の初めての中型バイクとなった YAMAHA DT250M です.1979年ころ? 場所は住田町世田米の NTT の中継基地が設置されている山頂.背後の山は,思い出深い下有住-遠野方面の山々です.薄雪をかぶっているので,早春かあるいは晩秋なんでしょうか.ここ,今でもまだクルマで登れるのかな?
この DT250M,ヤマハのオフロードバイクとしてははじめての『モノクロス・サス』マシンだったと思いますが,なんだか全体に重苦しいバイクでしたね.燃費も悪いしパワーもそれほど感じられませんでしたが,低速のトルクはごろごろとけっこう太かったような.




DT250Mがオフロードバイクとしてどうもスマートじゃなかったので,今度は4ストにしてみようかと,YAMAHA XT250 に乗り換えました.これは何年ころの写真なのか...場所はおそらく博士課程でのフィールド,陸前高田市横田のどこかの,林道の終点でしょう.
この XT250,アクセル開けると『シュタタタ...』と軽快に走ってくれるバイクでした.しかしやはりアンダーパワーで,エンジンが暖まってくると常にオーバーヒート気味で,ノッキングが出るばかりかパワーダウンする癖が収まらず,あまり良い印象がありません.乗っていた時期も短かったのかな?




そしてこれが,私の北上・早池峰調査での主力マシンとなった YAMAHA DT200R です.排気量は小さいながらモトクロッサーのような吹きあがるパワー十分で,走破力は抜群でした.林道ばかりか,作業道(ブル道)でもガンガンと登ってくれ,調査効率を飛躍的に高めてくれる本当に頼りがいのあるやつでした.

このあと DT200R の新型をもう一台乗り継ぎましたが,そのころは体力の低下と調査のやり方の変化とで,調査の主力はクルマへと移って行きました.調査でバイクを使わなくなったのは1990年からのことだったと思います.

今では,フィールドをバイクでやっている,なんて人はもういないでしょうね.

2013/10/03 13:32:43


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