望来砂岩脈
いや~...本来の意味の書き込みは 5/25 以来ですか...もうすぐ2ヶ月の空白でしたね.今,瞬間的に3時間ほどヒマになったので,その隙に書き込みます.
左の写真は,1998年7月に,3年生地質実習の時に石狩望来海岸で撮った砂岩脈です.コンパクトフィルムカメラで撮ったプリントをスキャンしたもの(時代を感じます)で,画質が非常に悪いですが,新第三系望来層(?)の成層シルト岩中になにやらグネグネと曲がりくねった砂岩脈が一本認められます.
何気なく撮ったものなので,周りはどうだったのかとか,詳しい構造を接近して観察するとか,一切していません.そこで,あらためて見に行くことにしました.
まず,当時の記憶があやふやで,海岸の場所を大幅に(全然違うところに)間違ってしまい,悩んだ挙句にやっと到達しました.
しかしこれ,1998年に見たものと同じものなんだろうか...? 露頭の雰囲気も違うし,形もなんとなく,おまけに露頭下部が崩落デブリに覆われており,上の写真の層理面に沿って曲がっているあたり(と思われる)ところはまったく見えませんでした.
13年も経つと表面侵食でこうなってしまうのか...で,もうちょっと接近して見ると,
なんか摩訶不思議なずれ構造ですね...複合貫入でもないみたいだし,出来たあとに破断してずれたようにしか見えませんが,本当にそううなのか自信はありません.あと,砂はけっこう粗粒で,ほとんどシルト岩だけからなる母岩のどこにこんな粗粒砂層があるのか,少し不思議です.一枚だけ粗粒~中粒砂岩層の挟在を確認しましたけど.
で,今回の主要な目的,どのくらいの頻度で砂岩脈があるのか?を確認しようと,望来から古譚までの海岸を数km歩いてみましたが,正真正銘『これ一本だけ!』でした.そんなことがあるのかよ,とグチ言いたくなります.
感覚的な話ですけど,砂岩脈というのは,ある条件が揃えば普通に出来るわけですから,一本だけというのはないのではないかと思ってたんですよね.それともたまたま歩いたところになかっただけ?
ちなみに,この石狩望来海岸は,こんなスペクタクルな露出のところです.これは今まで知らなかったので,素直に驚きました.こういうところを歩くのは地質屋として実に気持ちいいです.こんな露出を数km見て,なかったんだから,やっぱり一本だけ,なのか.
砂岩脈の出来るイメージをちょっと修正しなくてはいけないのかな?と思っているところです.
2011/07/14 11:28:18