９月に根室層群をあれこれ見てきたのは既に下に書きましたが，撮ってきた写真でもそろそろ現像しようかと見ていると，下に書いた神割崎のリップダウン層に酷似した層が写真に写っていることに気づきました．
気づいた．．．って？ そう，『露頭の前で写真撮っているときには気づいていなかった』んですよ．地層屋としてなんという集中力のなさでしょうか．orz
まあ言い訳けさせてもらうと，この露頭は，この上位に貫入している粗粒玄武岩シートが目的だったんですよね．ところが波が荒くて潮位も高くて，目的の突端にはたどり着けず，しょうがないので，入り口の根室層群の写真だけ撮って帰ってきた，ということなんですね．この次が大規模なスランプ層の露頭があるというので，そっちに気持ちが逝ってしまってた，ということもありますね，うん．（自己弁護モード）
場所は，浜中町貰人です．地層は根室層群の浜中層のタービダイトです．写真よく見ると，上の写真のまんなか付近になにやら怪しげな形態の地層がありますね．．．そこで，画像処理を駆使して，水平になるように回転して，さらにパースペクティブを直してやると，
こうなります．Silkypix のシフト機能は実に素晴らしい．これ見ると，厚い砂層とやや薄い砂層とが未固結時変形しながら癒着したようにも見えますが．．．右側見ると，厚層部があまりにもちゃんとしているし，真ん中を見ると，下の砂層がドームアップしているようにも見えます．
だとすると，上の薄い砂層は側方流動による，要するにシルかもしれない．．．
形態的には神割崎のものとあまりにもよく似ていて，同じリップダウン層と思いたいところですが，今のところ，明らかなインジェクション構造は認められません．というよりもなによりも，『露頭でそもそも intentional に観察していない』f(^^;
スケジュールが許せば，すぐに確認に行きたいところですが，浜中町は遠い．．．おまけにもう冬だぞ．うーん．．．うずうずしちゃうんですが，来年春まで待つしかないのかな？