蝦夷層群の砂岩脈
私の第二のホームグラウンドである蝦夷層群ですが...あまり知られてないというのか,誰も気にしてないと言うのか,記載例はほとんどありませんが,けっこうな砂岩脈が発達します.
これは,夕張市白金沢の林道沿いに出ている砂岩脈です.ご覧のとおり,何の変哲もない平板状のものなので,ちょっと見にはただの砂岩層と変わりません.この露頭の場合,分かりにくいですが,ホストの泥岩の層理面は写真にほぼ平行(弱い劈開で分かります)なので,砂岩脈は,層理面にほぼ直交した,すなわちシルではなくダイクです.写真下部に斜めに走っているやつがありますが,これもダイクです.
この平板状タイプは,中に捕獲岩片があったり,脈壁上にフルート様構造があったりする程度で,あんまり面白くありません.
しかし時には,こんな密集脈(dyke swarm)があったりするので,俄然面白くなります.写真の左上~右下に傾斜しているのは,母岩の砂泥互層の層理面です.砂岩脈は,それにほぼ直交していて,右上から左下に傾斜しているほうです.よく見ると,分岐・斜交・湾曲があって,砂岩脈だとわかります.
実はこの露頭のすぐ左側には,かなり大規模な(数十m規模)スランプ体があって,密集砂岩脈はその見かけの上位に卓越しています.この付近の蝦夷層群は全体として逆転しているはずなので,密集砂岩脈はスランプ体の下位に発達する,ということになります.
このことが何(メカニズム,とか)を意味しているのかは私にはイマイチよく分からないのですが.
2010/01/13 14:59:08