礫質シル・ダイク
これもだいぶ昔に見たものですね...Exifタイムスタンプを確認したら2003年夏でした.カメラは懐かしいカシオQV-3500.
場所は朱鞠内湖のそば,幌加内町朱鞠内川支流石油沢川です.ここには新第三系中新統古丹別層が広く分布しています.古丹別層は,粗粒タービダイト互層を特徴とした地層ですが,要するに斜面相なので,随所にスランプ構造が観察できます.
そのスランプの周りを注意深く観察すると,砕屑脈(シル・ダイク)の宝庫です.その多くは,単純な砂脈が多いのですが,一部にはこの写真のような礫質シルもあります.真ん中のシルはかなり大きなシルト破片だけではなくなにやらハードな岩石片も含むようですので,ソースは礫質タービダイトなんでしょう.
真ん中左上には,シルから上方に派生したダイクが見られます.母岩のシルト岩層には層理に高角な割れ目系が発達していますが,派生ダイクもそれに規制されているように見えます.となると,この砕屑脈の発生タイミングは,母岩がある程度固結したあとということになるんでしょうね...スランプとのタイミングなどを考えると,ちょっと不思議です.
古丹別層は(相当層の川端層でも),こういった砕屑脈に関して,ほとんど検討・研究例がないので,私としてはかなり不満です.え?自分でやれよ?! まったくそのとおりなんですが.f(^^;
そういえば川端層に関しては,当時穂別博物館に勤務していた川上源太郎さんが一例を報告していますね(川上ほか,1995)...って,私も共著者の一人でした.m(__)m
2009/11/06 13:26:27