春立海岸の地層パノラマ





出張の帰りにたまたま通りかかったら,ちょうど干潮の時間帯で,見事な地層のパノラマが海岸の波食台に広がっていました.
場所は新ひだか町(旧静内町)の春立付近の海岸です.奥の方では(おそらく)海藻を採っている人たちの姿が見えます.




海岸に降りて近寄ってみると,中層理~厚層理のタービダイト互層です.どことなく夕張の千鳥ヶ滝の川端層に似ているなと思って,帰ってから調べてみたら,やはり川端層相当層の新第三系中新統『アザミ沢層』でした.
良く見ると層理面に対して高角の小断層が見えています.このへんも千鳥ヶ滝の川端層に似ていますね.




こういうアングルで見ると,なかなかの迫力です.これは厚層理の砂質タービダイト層で,一部癒着しているようにも見えます.

この写真でもう一つ見えている大事な点は,『地層の走行が見事に海岸に平行』ということです.それで?と思われるかもしれませんが,地質図幅見るまでもなく分るように,この日高海岸地域の構造方向がそのまま地層の走行線と海岸線として見えているわけです.こういうのは,学生巡検ネタとして以下のも使えそうだと思うのですが.

ちなみに北海道の大きな地図を見ると分るように,(単に偶然かもしれませんが)この海岸方向の延長は,そのまま札幌西部山地北東側山麓~小樽・積丹半島の北東側海岸線に一致しています.私は日高海岸地域の構造方向が,『積丹方向』に連続すると思っているのですが,だからと言ってどうした?と問われると何も言えません.(^^;

2013/04/18 11:34:23


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