館の岬のスランプ層
これは,このカテゴリーのずっと下のほうに書いた,道南乙部町館の岬の地層と,くぐり岩のスランプ層に関連した話です.
古い写真を整理していたら,館の岬の北側に続く連続露頭をフィルムカメラで撮ったものが出てきました.焼きこまれた日付を見ると,1997年6月13日となっています.どうやら講座に委託された地下水調査の際に撮ったもののような.
で,この写真,真ん中ちょっと下の層準に見事なスランプ層が写っています.黒いのはおそらく礫質タービダイト層の転位したやつだと思います.その右側に左方へ滑動した互層ブロックの頭部が見えています.
この露頭は,現在は崩れ・デブリによって下半部がほとんど覆われており,このスランプ層も見ることが出来なくなっています.
ところが,昨年写真を撮りに行ったときのものを見ていたら,上の写真の右側に塔状になっているところがあり,そこにこのスランプ層が見事に露出していました.
これ見ると,スランプという現象は,なんと多様なものかと思います.上半部は礫質タービダイト層とシルト岩層がミックスしているだけのように見えますが,下1/3のところはなんなんでしょう.私にはこの成因が俄かには見えてきません.ひも(undulateした薄層)状の細粒シルトと,含礫シルト(砂?)とが細互層しているように見えます.どちらかが貫入脈なのか..それとも?
実に面白いけど,皆目分からんです.(^^;
2010/11/30 13:34:30