厚層タービダイト層と上面変形
さてこれはどのカテゴリーに入れようか,悩んでしまいます.地層そのものは前弧海盆堆積物である根室層群なんですが...これで何を言いたいのかも自分自身ちょっと定まっていないので,とりあえず地層カテゴリーで.
地層は,根室層群浜中層で,場所は浜中町の恵茶人(えさしと)海岸です.貰人のすぐ東にある小さな神社の横から海岸に降りると,すぐにこの露頭が見えます.
厚さは正確には測っていませんが,だいたい 3 mはあると思います.非常に厚層なタービダイト砂岩なので,私は最初見た時,ドレライト岩床と勘違いしてしまいました.なにしろ単斜輝石破片や火山岩片に富んだ完璧な火山性砂岩なので.
露頭の下にこんな大転石が落ちていますが,そこには単層底面が見えていて,見事なグルーブキャストが何本も見えます.これを見て,タービダイト砂岩層であったことに気づくとは...
で,このタービダイト砂岩層,上の写真見ても分かりますが,底面はシャープできれいなのに,上部は,なんだかごちゃごちゃしていてはっきりしません.級化してるんじゃないの?なんて思うかもしれませんが,近寄って見ると,けっこう愕然とします.
こうなっているんですね...いったい何と呼べばいいんでしょうか? スランプ?にしては,どうもすっきりしません.一部は変形した砂岩脈の集合のようにも見えるし...こういったものを私は『上面変形層(USDF: Upper Surface Deformation Layer)』と,(とりあえず)呼んでいます.
単純にスランプと呼んで分かったことにしまえば気も落ち着いて安心するんですが,どうも引っかかる...
2015/03/10 12:46:58