白亜の露頭
これも地質百選がらみですが...この壮大な露頭,ちゃんとした記録を撮ってなかったので,ちょっと行って来ました.乙部町館の岬です.
やっぱりすごいですよね...地層システムのお姿というのがそのまま現れているような神々しい露頭だと思います.
私が層序学の講義で紹介している海外の教科書では,地層システムを“海岸に置かれた一冊の書物”に例えているものがあります.まさにそのとおりという写真ですね.
この“白亜の地層”の大部分は,館層の生物擾乱の発達したシルト岩ですが,黒く見えている薄い(といっても1m近くありますが)地層は礫質粗粒タービダイトです.火山性の砕屑物が多いので黒く見えているようです.
ちなみにこの露頭,昔は傍に乙部町教育委員会が立てた『白亜の崖』という看板があったのですが,今回行ったときには影も形も...残念だな.
上の写真は姫川を挟んだ対岸の乙部漁港の北端から撮ったものですが,南側の埠頭の先端まで行くと,こんな感じに見えてきます.
北側の海岸線が見えてきて,なんだか奥行きが感じられて私は好きです.あと,館層の上位に新規の地層(鶉層?+古期砂丘堆積物)が載っているのが良く分かります.
これらの写真は,業務デジカメ(G1)のテレ端90mm相当では寄りがなくて全然ダメで,私物の K20D + DA60-250mmで撮りました.手持ちなので,ちょっと手ぶれてしまいましたが,縮小すると問題ないですね.
ちなみにこの2枚,PTGui(私物^^;)でパノラマ合成したものですが,実にうまく合成されています.1枚目の右下の黒いラインは,撮り方が悪くてはみ出てしまった部分です,未熟.
2009/07/08 13:47:02