渡島帯QF砂岩中の石英粒子
で...その“過剰な石英粒子”と思われるものを,偏光顕微鏡下で探していくと,こんなのがどんどんと見つかります.
要するに,深成岩(花崗岩)から由来したと思われる普通の石英粒子とはちがって,モザイク状,リボン状...普通の石英粒子はせいぜい波動消光のドメイン作っているくらいですから,その変形・再結晶の状態にはかなりのギャップがあります.
左の写真の下にあるやつなんかは,一見等粒状で,結晶の二次成長でかみ合ったような,縫合境界を示しており,再結晶を受けた正珪岩(orthoquartzite)にそっくりです.
だいぶ前,たしか弘前大学でやった地質学会の合同支部例会のシンポだったと思いますが...私はこの写真を示して,『渡島帯のジュラ紀砂岩には,正珪岩などの古期大陸性岩石から由来した石英粒子が含まれている可能性が高い』としゃべったのですが...東北大の大槻さんや岩手大の越谷さんなどの構造系の権威から,失笑(嘲笑?)をいただいたのを覚えています.要するに『そんなの花崗岩の中や周りのちょっと変形したところや脈鉱物なんかで,いくらでもあるよ』ということで.
まったくそのとおりだと思います.“匂い”を感じることがなければ,私もそういうことにしていたかも.“見なかったことに”というのか.
ただ...これらの石英粒子,明らかに“匂ってた”んですよ.それも香ばしい.(^^; ...(以下,続く)
2009/08/27 15:58:14