ジャンプした島弧の証拠?
付加体カテゴリに書いた,“ジュラ紀沈み込みが終焉したあとにジャンプした島弧(礼文-樺戸)との間にできた remnant basin”...相変わらず何のことか分からないので,そのデータを一つ.
これは,渡島帯東縁部『戸井コンプレックス唐川ユニット』に挟在する緑色砂岩です.川村ほか(1997)に出した薄片の写真を撮り直したものですが,発見者は共著者の小澤聡さんです.よく見つけたもんですね...
写真右下に見える有色鉱物が単斜輝石で,EPMAで組成計ってみたら,島弧型でした.左にあるのはブドウ石化した斜長石ですが,要するに安山岩ということのようで.
こういう砕屑物をどこから持ってくるかはなかなか悩ましいところですが,東側に白亜紀最初期には礼文-樺戸ができているはずだからそこだろうと.
ちなみにこの緑色砂岩の露頭は見に行ってみたことがあるんですが,残念ながら見つけられませんでした.その代わりというか,緑色化した安山岩の礫を含む含礫泥岩がけっこうたくさん落ちていて,感動したのを覚えています.
2009/06/08 11:16:56