正断層と逆断層-私的解題
さて...以下に書くのは,あくまでも『私的解題』です.私は完全に勘違いしているのかもしれませんよ.
解題:『正断層とか逆断層とかは,断層の属性ではなく様相である』
よく『どこからどう見ても○○だ』という表現がありますよね.リンゴは(通常のスケールでは)どこからどう見たってリンゴに間違いは無い.ところが,『正断層』『逆断層』というのは,断層それ自体にそういうレッテルが貼ってある(=それ自身の属性)わけではなくて,『どこからどう見たとき』が暗黙の了解というか暗黙の前提として決まっているんです.ところが,それはしばしば忘却されて・混乱してしまう.
暗黙の前提は,(例えば)逆断層の定義そのものの中に隠れています.『断層面の上盤側がのし上がるセンスの断層を逆断層という』.ここに二度出てくる漢字がその答えです.『上』,つまり地球の鉛直方向で地球中心部から遠い方...既にそこに相対的な座標が指定されています.要するに,『断層を立面上で横から見たときに』なおかつ上が上でなくてはいけません.
発泡スチロールの球の場合は,上にあげた前提がそもそもない世界の話なので,区別は不可能,じゃなくてはじめから無意味です.
先輩Aと後輩Bは平面上で(上から)見ているので,そもそも二人とも間違っています.これを圧縮だとか展張だとかいう見方ではなく,σ1σ3で話すと,二人の意見は不思議なことに一致します.
先輩Aが下から見たとき正断層だとすると,σ1は(写真の)上下方向,σ3は左右方向です.つまり左右に(相対的に)引っ張られて(=上下に押されて)いる.
後輩Bが左から見たとき逆断層だとすると,σ1は横向きの後輩Bから見て左右方向,σ3は上下方向です.つまり,それぞれ写真の上下方向,左右方向になり,先輩Aから見ればやはり左右に引っ張られて(上下に押されて)います.
ということで,先輩Aと後輩Bの意見は晴れて一致し,あやしい男の友情は保たれたのでした.めでたしめでたし(?).:-p
2013/01/15 11:55:38