美々貝塚のフォアセット
札幌近郊では,もっともよく観察できる貝塚です.千歳市の南はじにあり,千歳市教育委員会が管理しています.
美々駅方面に入り,駅を過ぎて踏切を渡ってすぐのところを左に入ります.未舗装ですが,広い駐車場が設けられています.隣は千歳市環境センターというゴミ処理場ですが,間違ってそちらに入ってしまいそうになるので気をつけましょう.
駐車場で降りて,奥の階段を上っていくと小さな広場があります.この看板はそこに立っているものですが,最近内容が新しいものにつけ変わったようです.
広場の奥に,貝塚の見学棟があります.言い忘れましたが,ここは施錠されており,鍵は隣のゴミ処理場の受付にあり,そこで記帳して借りることができます.
この見学棟に貝塚を移設したと勘違いする人もいますが,(おそらく)貝塚の発掘露頭の上にそのまま上屋を建てたものでしょう.間違っていたらすいません.
貝塚の断面です.模型や剥ぎ取りサンプルではありません.貝塚の上位には樽前a-cのテフラが載っており,写真には写っていませんが,下位には樽前dが見えています.樽前c-dの間ということで,だいたい6千年前の貝塚とされています.縄文海進の頃ですね.
当時はいまより平均気温が2-3°高く,海面は数m上昇していたということです.すぐそば(東)を流れる美々川の標高が 4 m くらいなので,その辺まで海が侵入していたということでしょう.貝塚は海岸付近の高台(比高15m以下)にあったということになります.
あまり気がつかれていないかもしれませんが,貝塚露頭を横から見ると,貝殻の配列には,弱いフォアセット構造が見えます.写真ではちょっと不明瞭かもしれませんが,向かって右から左へ堆積したことを示しています.右方に住居があったということなんでしょうか.
特にたいしたことではありませんが...f(^^;
2012/07/13 13:51:35