早池峰山図幅





ちょっとタイミングを外してしまいましたが...この写真は,昨年の暮れに出版された『早池峰山図幅』の表紙です.私はその3番目の共著者ですが,実態は最下位以下かと...

図幅(というか,地域地質研究報告)の内容は,読んでいただければ分かりますが,複雑怪奇な旧『早池峰(構造)帯』の myths (^^; を明快に再整理したもので,日本列島の古期地質体区分・発達史にとって有意義な milestone になっているものと思います.これは,主要には筆頭著者である川村寿郎さんとセカンドの内野隆之さんの功労です.ぜひ皆さん買って読んでください.

で...以下は老人の戯言.m(__)m

早池峰帯(とあえて書かせていただく)の研究は,私の地質屋人生にとっての最大の『こだわりのテーマ』でした.研究を始めたのが 1983年ですから,D論出したころの30歳.山や川を歩きまわるフィールド地質屋としてはピークをなんとなく過ぎてきていましたが,南部北上古生層に続いて,かなりの注力をしたフィールドテーマであると自負しています.
調査の主要部分は『北上古生層研究グループ』による共同調査でしたが,時間が許せば単独であちこち歩き回っていました.早池峰山北麓地域などはその一つです.

しかしその結果は,グループのメンバーでもあるYさんにも伝言形式で言われましたが,『手間暇かけてなかった』なぁ,と...不思議な話ですが,北大理学部に研究職を得てから,調査やサンプル処理にかけられる(自由な)時間がそれまでと比べて歴然と減ってしまっていたんですよね.逆じゃないかぁ?と言いたくなります.

早池峰帯のあとは渡島帯ジュラ紀付加体,そして蝦夷層群と手掛けたわけですが,どれもこれも中途半端.
私のやり方というか考え方(そして,地質学)が根本的に間違っていたのかもしれません.リタイアを目前にした今の時点から当時を顧みると,なんだか泣きたくなってしまいますよ.

2014/07/24 14:08:35


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