地球の誕生
私の自宅はいわゆる『難視聴地域』なので,しょうがなくケーブルテレビに加入しています.CATV で地デジ見るだけはあまりにあほらしいので,当然のごとくデジタル契約でケーブルチャンネルを視聴しています.
その中に『ヒストリーチャンネル』という歴史もの専門チャンネルがあるのですが,そこでつい先日まで『地球の誕生』という番組を放送していました.原題は上のタイトルキャプチャのとおり How the Earth was made なので,地球の誕生ではなく,『地球はどのようにして形作られたか?』なんだと思いますが,まあいいか.
で,この番組,かなり金がかかっているというのか,普段見られないような露頭や岩石を地質学者が紹介してくれるので,けっこう面白いです.
先日は,『シベリア・トラップ』という回で,ペルム紀末の洪水玄武岩を紹介していましたが,延々と続くほぼ水平の分厚い溶岩流シーケンスには,感動しました.
あと,『ネス湖』の回ではネッシーの紹介と思いきや,Scottish Highland の古生層が紹介されていて,懐かしい Iapetus Ocean なんて言葉も出てきてました.他には『アルプス山脈』『グランドキャニオン』も面白かったですね.
これらは DVD にムーブして保存していますので,そのうち授業の時間稼ぎに使えるかも? :-p
ただこの番組,時に地球科学的な誤訳や誤解がけっこうあり,ちょっと困りますが,逆に学生に『どこが間違っているでしょう?』なんて設問が出来るとも言えますね.
Rocks を『岩(いわ)』と訳しているのは常に気になります.『このイワには太古の海の証拠が隠されている』なんてのを聞くとむずがゆくなってきます.
あと『沈み込むプレート同士の摩擦熱でマグマが発生する』なんてのもあって,これは番組のもともとが間違っているんでしょうね.
とはいえ,こういう地質学に特化した教養番組を世界中にロケするお金かけてシリーズで作ることができる,なんていうのは日本では考えられないことだな...と思います.いったい我々の文化と何(・どこ)が違っているんでしょうか?
2011/02/24 10:37:57