北海道の地すべり地形





この話は...私にとって『黒歴史』というほどではありませんが,『灰歴史』ぐらいの苦い味のする話です.
何が苦いのかというと,詳しいところは省略しますが,手探りでやった(やらざるを得なかった)仕事なので,いろいろと不備や考え落としがあったということと,それから『自分のやったことが外部にどう受け取られるか』について見込み違いがあったということになります.ふぅ...また口の中が苦くなってきました.

まあそういったことはさておいて,なにしろ出版が1993年-山岸ほか(1993)-ですから,その時点ではある意味で先駆的であって,それなりに意味のあったことだとは思っています.
山岸宏光さんらの地すべり読み取り図を基にデータを作ったのは,ファイルのタイムスタンプから判断すると1990年の夏ですから,今から25年前...デジタイザと格闘した熱い3カ月が懐かしいです.

ちなみに,この山岸ほかの地すべり分布図を乗り越える(?)ものとして,防災科学研究所によるデータがありますが,その北海道部分が公開されたのは2009-2013年ですから,ほぼ20年は先んじていたということになるわけです.多少の不備は,その時代差が許してくれるんではないでしょうか...

で,このグラフィックスですが,地すべりデータベースを基に,地すべり地の面積別に色分けして地理座標(歪んでますけど)にプロットしたものです.このプログラムを作成した初期は,まだ PC9801 の時代で,言語も QuickBasic でした.その 640*400の真っ黒な画面にこの図が出てきたときは,心底感動したのを覚えています.何しろ,地すべり分布に北海道の姿が見えているんですからね...




これは,3次メッシュごとに地すべり地形の数をカウントした地すべり密度分布図ですが,樺戸山地東麓や北見東方山地に分布のピークがあるのがはっきりと見えています.いずれも新第三紀の細粒砕屑岩の分布地だったと思います.
こういった絵も,おそらくその時点では前代未聞のものだったのでしょうから,『素人の怖いもの知らず』というのはおそろしいものだとしみじみ思います.

2015/03/26 12:53:15


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