右横ずれと左横ずれ





断層の話,専門家でもないのにあまりにくどいというか,空気読んでんのか?...という気もするんですが,えーい,乗り掛かった船なので最後まで行っちゃえ.断っておきますが,この断層の話はこれで最後にします.

左の絵,誰でもが知っている左横ずれ断層と右横ずれ断層の絵です.断層のこっちからみてもあっちから見ても右横ずれと左横ずれのセンスは変わらない.そんなの小学生でも(?)知っている.それがどうした?

じゃ,この二つの断層.何だと思います? 実は...同じ断層なんです.(^^; そんなバカな.でも同じ断層なんです.地表面を上から見たところと,下から見たところというわけです.

つまり...正断層・逆断層と同じく,右横ずれ・左横ずれって,『地表面を平面図で鉛直方向の上から見た時』という暗黙の定義が埋め込まれているんですね.通常はこれが問題になることはない.なにしろ,地下にずぶずぶ潜ってそっから上見る人なんていないですよね? いない? 本当に?

よく構造地質学の教科書に,非対称剪断構造の写真が載っていて,『これは右ずれセンスである』なんてキャプション載ってますよね? 私も先日の石材の写真でそういう表現使ってます.あれは間違いなんでしょうか? いえいえ,それは鉛直がどうのという概念を含まないある2次元不定世界の上の話なんですから,それはそれで間違っていないわけです.

問題は,どっかから岩石を定方位で取ってきてその薄片を立面で作り,その薄片から『この変形作用は○ずれ変形センスだ』ということなんじゃないかと(実例を見聞きしたことあり).
薄片を裏から見たら逆のセンスになってしまうんだから,正確には,『剪断面の走向方向から○側を見たときに,上盤が●方向に移動するセンス』と言わなくちゃいけないんじゃないかな??
どうなんでしょう? 専門じゃないので自信はありません.でもどう考えてもそうだ.

ということで素人的結論:『右横ずれ・左横ずれも,断層(変形)の属性ではなく,その様相である』.

つまり,地球上(でなくてもいいんだけど.要するに上下という概念のある場所)で...という制約を外してしまえば,正断層と逆断層もないのと同様に,横ずれ断層という区別もなく,ただ1種類の『断層』というものがあるということに.

2013/01/18 14:48:12


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