正断層と逆断層-四元論
今朝は札幌の自宅周辺は快晴で気温は零下20度近くまで下がり,なんと!『ダイアモンドダスト』が舞っていました.自宅周辺で見たのは初めてのような気がします.恐るべし今冬の厳寒...
で,正断層と逆断層,まだまだ性懲りもなくやりますが...正断層と逆断層の定義が『上下方向埋め込み』であることは理解していただけたと思います.つまり,
正断層:上盤がずり下がった・下盤がずり上がった
逆断層:上盤がずり上がった・下盤がずり下がった
上盤というのは,英語で言うと hanging wall,下盤が foot wall のことです.
ここまで考えてくると,『断層には正断層と逆断層がある』というのが完全に間違いであることが分ります.
注)ここの話には,断層の変位ベクトルの話は含みません.あくまでもその端成分での話です.
つまり,(立面図で見て変位の見える・表現できる)断層には4種類あるのです.正断層と逆断層と垂直断層と水平断層です.垂直断層は,どっちが上盤か下盤か区別がありませんので,正断層でも逆断層でもありません.水平断層は,上盤と下盤の区別はありますが,どちらも下がっても上がってもいないからです.
この四元論に,立面図で変位の表現できない断層,つまり横ずれ断層を加えて合計5種類,ということに...
昔,学生・院生のころ,南部北上古生層の地質図を描くとき,先輩から『断層面の傾斜が分らないときは不明という意味で垂直に描く』ことを教えられました.これって,この四元論から言うと,けっこうアブナイことをしてたんだな...と思います.あの頃は(いまでも?)ここの断層の形成時期やセンスを論じることなどなかった(=断層は分布不連続の説明手段にすぎなかった)から,まあそれはそれで良かったんでしょうね.
2013/01/17 12:38:36