東北地方太平洋沖地震の震源(続き)
目的は,震源における沈み込み面の深さなので,必要なパラメータは,沈み込み角度・海溝からの水平離隔だけです.日本海溝での沈み込み角度がどのくらいなのかは,意外にも調査が難航しました.結局見つけたのは『10度以下』という曖昧な表現と,地磁気から求めた『3~5度』という値でした.おそらく専門家の皆さんは正確に知っているんでしょうけど,素人がネットで調べるのではこれが限界かと.
あとは,地球表面もプレートも平面と仮定すれば簡単な三角関数の計算だけになります.
ところが,ここで素人の(大きな)疑問が.『震源の深さってどこが基準なの?』...専門家に笑われちゃいますね.とりあえず,『地表面・海底面から』『海水準面から』『ジオイド面から』とかいろいろ考えられますが,簡単なので,勝手に2番目であるとしました.その計算の結果が上の表です.
結論としては;03/09 M7.2 深さ 10 km というのは,プレート境界面から上位にある可能性が高い.沈み込み角度3度でちょうど面上になりますが.3度はちょっとゆるすぎ?
03/11 の本震は深さ 24 km となっていますので,沈み込み角度10度でも,沈み込み面の下位になります.
世界で起きたプレート境界型巨大地震のうち震源の深さが分かっているものでは,1960/05/22 の Chile 沖が 35 km (M9.5),1964/03/8 の Alaska 沖が 25 km (M9.2),2004/12/26 の Sumatra 沖が 30 km (M9.1) となっていますので,このクラスになると大体深さ25 - 35 km ということなんでしょうね.03/11 の本震はこれらと compatible な感じです.おそらく,沈み込む海洋プレート上部での逆断層型地震ということかと.
それにしても,(素人の勘違いかもしれませんが)今度は 03/09 の震源が気になります.沈み込み面の上だったら付加プリズムの中ですよね? 10 km だったらもうかなり脱水しているかもしれないけど,こんな大きな応力ためる強度があるんだろうか...? 私には謎です.
内陸型地震の場合だったら,この深度には固い古期基盤岩があるわけなので,イメージ的にはあっているんですけどね...
2011/03/17 12:30:39