神居古潭帯の雁行配列





下の蝦夷東帯のところで,神居古潭帯の構造が非常に複雑と書きました.これについては,神居古潭帯の研究者が考えるべきことで,私ごときが考えることではないのかもしれませんが...

左の図は,北海道南部地域の神居古潭帯周辺の地質概略図です.蝦夷東帯のところで出した図とほぼ同じですが,もうちょっと詳細に考えてみたものです.
このアイデアは,私の記憶では,その元々は植田勇人さんの思いつきだったんじゃないかと思いますが,その後彼はこれについて特に取り上げてはいないようです.結局却下,したのかも? :-p

ここで,神居古潭帯の高圧変成付加体と蛇紋岩帯の分布をじーっと見ていると,なんとなく雁行配列した4本の列になっているように見えてきます.図では一応,北から,夕張岳-空知列,穂別-富良野列,ニセウ-ハッタオマナイ列,額平-三石列,と名づけています.

思いつきとしては,これが新生代の東西圧縮と横ずれに伴う transpressional な構造なんではないか.一般にこの時期の運動センスとしては右横ずれと言われていますので,伸長性の右横ずれデュプレックスなんではないかと...

さて,どうなんでしょうね? 各列ごとに付加体の構成・岩相は微妙に違っているので,単純に均質なものが元になっているわけでもないようで.

ちなみにこの地質概略図は,藤本樹快さんがたしかM論の時,超頑張ってコンパイルした力作です.当時はイドンナップについては理解が進んでいなかったので,その東縁については今見ると少しおかしなところもありますが,それは瑣末なことですね.

2012/02/28 12:36:27


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