石炭紀水中火砕流





下に書いた火山豆石とは少し層準というか,“亜帯”が違うのですが...南部北上帯は“亜帯”ごとに石炭系の岩相層序がまったく異なっています.

この写真は,世田米亜帯の下部石炭系の最下部層にあたる尻高沢層の粗粒珪長質凝灰岩です.ご覧のとおり,扁平化した“本質レンズ”を多量に含み,色もけっこう紫っぽくて,最初は陸成の溶結凝灰岩かと思いました.しかし上下の層準はすべて浅海化石を含む海成相なので,うーむ...と思っていたら,こんな露頭が見つかりました.




世田米柏里から北に入る沢の斜面で見つけた露頭です.ハンマーの置いてあるあたりから下が普通の海成砂泥互層ですが,その上が珪長質粗粒凝灰岩です.下底面は loading なのか乱流による侵食なのかは分かりませんが,凹凸に富んでいます.これについては川村(1997)で記載しましたが,要するに水中火砕流であるということになります.




その当時描いた柱状図ですが,こんな感じです.まあまあ良くできてる(柱状図が ^^;)と思うけど,細粒部はもうちょっと成層していてもよいような気もするかな...
いつも思うんですが,南部北上の古生層について,こういう記載的研究例が異常に少ないように思うのはなぜなんでしょうね? 化石の論文は掃いて捨てるほど沢山あるのに...て,もちろん皮肉ですよ.:-p でももう,こんな研究しても発表できる場そのものがなくなってしまったようにも思える.

2009/10/08 10:34:18


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る