氷上花崗岩八日町岩体上位のシルル系砂岩
しばらく中断していた氷上花崗岩関連の話題を再開します.というか...そろそろこの話は終わりにしたいのでラストスパート.(^^;
氷上花崗岩には,氷上山周辺の大きな本体の岩体以外にも,きわめて小さな分布規模ながら,多くの小岩体が存在します.このへんは,北上古生層研究グループ(1982)にまとめましたが,南(東)から,小松峠・白石峠・八日町・恵蘇・平沢・大畑,そして奥火の土岩体です.
このうち,恵蘇・平沢・大畑を除く4岩体の周辺から,我々はシルル紀化石やシルル系との不整合関係を発見し,報告したわけです.
で,このサンプル写真は,八日町岩体を不整合に覆うシルル系の基底砂岩です.北上古生層研究グループ(1982)の写真図版にあげたのと同じものですが,当時は写真製版技術があまりよくなかったというか...おまけに横に倒れてるし.(^^;
元祖“不整合露頭”であるクサヤミ沢でも,誰かが『アルコース砂岩』としたものを誰かは『花崗岩カタクラサイト』とする...その解釈しだいで時代論が真っ逆さまになってしまうわけですから,話は面倒です.
しかし,これはどう見てもアルコース砂岩ですよね? 級化してラミナもあり,おまけに泥岩に移化しているし.クサヤミ沢でもこういうサンプルが取れていたら,その後のいろいろな“ぶつぶつ”文句も出なかったのに,(^^; と思います.
そういう意味で,貴重な記録として.
2009/10/22 14:22:52