下部石炭系中の花崗岩クラスト





久しぶりの南部北上ネタです...って,実は他にもまだまだ話したいことがあるんですよ.(^^;

このカテゴリーで,先シルル紀氷上花崗岩について,だいぶあれこれ書いてしまいました.南部北上の常識で言うと,花崗岩の砕屑物(礫)が出現するのは,このあと,中期?ペルム紀の有名な『薄衣型礫岩』まで待つ必要があります.Kawamura et al. (1990)(そういえば,市川先生も亡くなられましたね)のまとめにもそう描いてあります.
しかし,注意深く(瑣末に?)見ていくと,必ずしもそういうわけでもないんですよね...

この写真は,世田米地域の下部石炭系の最下部層,尻高沢層の珪長質凝灰岩の薄片写真です.ご覧のとおり,立派な粗粒花崗岩クラストが.たしかに数というか頻度は少ないですけど,薄片作ってちゃんと探せばそんなに苦労するほどのものではありません.

この花崗岩クラスト,私の眼には氷上花崗岩的なものにも見えますが,もちろん証拠はありません.どっかで陸上珪長質火山活動が起きていたんだから,花崗岩質岩があるのは当たり前と言っちゃえばそうだし.

この話は,川村(1985)にもちょこっと書いてありますが,資料的な意味で.

2009/12/03 11:05:43


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