釜石千丈ヶ滝礫岩





これは南部北上のカテゴリーに書くか,それとも早池峰テクトニクスのところに書くか微妙なところなんですけど...まあやっぱり,ものは南部北上マターなので.

釜石市小川鉱山上流部の釜石古生層中の礫岩です.撮影日時は,1982年5月...古すぎ.(^^; 宮城教育大学の川村寿郎さんと一緒に行ったときのものです.
ちなみに,良く『川村寿郎さんは弟さんですか?』と聞かれますが,違います.一目見ると,体型も顔つきも敏捷性 :-p も全然私とは違っていて,すぐに分かると思います.

現在,釜石地域の古生層の層序は,最下部に苦鉄質岩類,その上位にシルル~デボン紀の火山砕屑岩・砕屑岩類からなる千丈ヶ滝層,その上位に基底礫岩を挟んで下部石炭系の小川層,ということになっていると思います.子の礫岩は,小川層の基底礫岩です.

露頭写真でもすぐに分かるとおり,珪長質深成岩礫を普通に含んでおり,世田米-日頃市地域のそれとはまったく違うことが分かります.この礫岩については,川村・川村(1983)に報告しましたが,資料的価値があると思い,カラー写真をここに上げておきたいと思います.




顕微鏡で見るとご覧のとおりで,“なんだか氷上っぽい”(^^; 花崗岩礫とともに,明らかな変成片理を生じた珪質岩礫が入っています.何の根拠もありませんが,付加体の高圧変成岩の一部という気がします.もしそうだったらどういうことになるんでしょうね...?

釜石古生層の層序そのものも,南部北上プロパーっぽい性格と,北縁部(大迫~川井)っぽい性格と足して二で割ったような感じで,その点も面白そうな感じがします.

あと全然関係ない話ですが...たしかこの写真撮った時だったと思うけど,川村寿郎さんと一緒に,小川町の小さな宿屋に泊まりました.その宿屋...おばあちゃんが一人でやっているみたいなんですが,風呂に入りに行ってびっくり.風呂桶(プラスチックだったと思うけど)が,風呂場の中で斜めに傾いでいて,おまけに風呂桶が割れていてそこにガムテープがべたべたと貼り付けてあるという...(^^; もう,味があって最高.思い出深い宿屋でした.なんという宿か名前忘れてしまいましたが,なんぼなんでも,もうやってないだろうな...30年近く前の話ですからね.

こういうことを思い出すにつけ,自分の周りを風が吹き過ぎていくみたいな気持ちがします.まさに追憶の南部北上,良い思い出を沢山作らせてもらいました.

2009/12/01 13:20:44


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る