これが，下のアーティクルに書いた『私の南部北上研究のバイブル』です．
湊 正雄 (1941) 岩手県気仙郡世田米地方の下部石炭系について．地質学雑誌，48, 469-490．の Fig. 12．（掲載承認済み -by地質学会）
私が知らないだけなのかもしれませんが．．．1941年という時代に古生層研究で，こういう“獰猛（ねいもう）”なルートマップを掲載している論文というのはこれだけだし，もしかすると後にも先にもこれだけなのかも？
私も 1985 年あたりに南部北上古生層の層序論文をいくつか書かせていただきましたが，結局これを超えるものは作れませんでした．そもそもこういう精度の調査をすること自体（性格がアバウトなのか）できませんでした．
私は湊先生の“幸福な弟子”ではありませんでした．『安倍族造山運動』についても，ネガティブな意見をたくさん持っていますが，このルートマップについては，心の底から，すごい，と思っています．
あ，書き忘れましたが，このルートマップは陸前高田市小坪沢です．我々は“こつぼ”と読んでいたし，実際化石名にも kotsuboensis というものがありますが，東北大系の研究者によると地元では“おつぼ”と読むのが正しいんだとか．このルートマップから出てきた北上話（ばなし）についてはまた別のアーティクルで．