クサヤミ沢『不整合』露頭
それでは,氷上-シルル系つながりということで.
このなんだか古ぼけた写真は,村田ほか(1973)でシルル系川内層と氷上花崗岩との不整合露頭として報告された,大船渡市クサヤミ沢の露頭です.そういう意味では実に貴重なものですが,現在は(といっても最後に見たのは10年位前ですが),土石流でも出たのか,露頭下部がデブリに覆われており,往年の面影はありません.もっとも,この露頭の原寸レプリカが大船渡市立博物館に展示されているはずです.おそらく今もあると思いますが,確認していません.
この写真撮ったのはいつなのか...分かりません.おそらく1980年代だろうとは思いますが.
ハンマーの置いてあるところから下が少しマサ化しているように見えますが,これが氷上花崗岩.その上の少し堅硬に見えるところが,『川内層基底アルコース砂岩』です.軽いすべり面を介していますが.
で...もう時効?というか,終わった話なんで本音言っちゃうと,この“アルコース砂岩”,私の目には,花崗岩カタクラサイトにしか見えません.それは顕微鏡下でもおんなじで...今もそう思っています.葉理とか粒度分化とかの,堆積構造がまったく見られないんですよね...念のため断っておくと,村田ほか(1973)の業績を貶める意図はないし,偏見でもないと自分自身を信じています.
いずれにせよ歴史的な露頭なので,記録という意味で.
2009/07/17 16:51:57