シルル系奥火の土層基底相
また南部北上に戻ってきました.これらはいずれも印刷された論文(川村,1983)に掲載されているものですが...なにしろ当時はカラーという選択肢はなかったし,白黒写真もかなり印刷品質が悪かった...ということで,資料的価値という意味で,カラーで画像を公開しておこうと.
最初のは,奥火の土層の基底礫岩というか...基底そのものは鉄アルミナ質泥岩だし,この礫岩が氷上花崗岩を直接覆っているところはありません.泥岩上位の溶結凝灰岩の礫質基底相と言っても良いのかも.入っているのは大部分が溶結凝灰岩礫です.右側のやつなんか,見事な流紋岩ですね.そのほかに,下位の氷上花崗岩のクラストをもちろん普遍的に含んでいます(真ん中).
次は,溶結凝灰岩の上位に来るアルコース砂岩です.整合ではなく小さな断層関係がありそうですが.これはクラストのほぼ100%が氷上花崗岩由来の結晶粒子です.左上部など,やや剪断されてはいますが,ラミナを持つ砕屑岩であることは間違いありません.
上のアルコース砂岩の中の礫質部です.右下の大きな礫はアプライトだったと思いますが...そのほかの黒い色の礫は大部分が玄武岩です.謎の玄武岩.(^^; 南部北上の中心部にはこんなのどこ見てもないですからね.
あと,真ん中下の変な格好した礫?は,おそらく生物破片(favositids?)だと思います.再結晶で内部組織は残っていませんが.
2010/01/22 12:43:48