北上古生層最下部緑色岩(続き)





続きがあるのを忘れていました...m(__)m

この写真は,早池峰山北麓,御山川の古生層最下部緑色岩(高桧山緑色岩)の岩相・産状です.上部の青っぽいところは玄武岩ですが,下部の粗粒部はハンレイ岩です.両者の境界はかなり入り組んでいますが,写真中央右を見るとお分かりのように,基本的には貫入関係です.もっと不均質で漸移としか言えないようなところもありますが...




こちらは,南麓側,タイマグラ林道で見た,玄武岩中に層状に挟まれる石英閃緑岩です.
大沢(1983)には,“トロニエム岩”が,『ハンレイ岩-超塩基性岩類』の一部の岩体中にごく少量認められる,とありますが,前の書き込みの柱状図見るとお分かりのように,高桧山緑色岩類の中には至るところごく普通に見られ,普遍的です.

これらの玄武岩類と深成岩類が貫入関係にあるとは書きましたが,ではどちらがどちらに貫入しているのかと言うと...




もちろん上が玄武岩,下がハンレイ岩ですが,なんだか良く分かりませんね.ちなみに玄武岩の中に見える,境界面に斜交している面構造は,(おそらく)伸長変形構造です.そう見ると,ハンレイ岩が玄武岩に貫入しているようにも見えるのですが,顕微鏡でいろいろなサンプルを観察すると,関係は逆で,玄武岩がハンレイ岩(や石英閃緑岩)の粗粒深成岩組織をカットしているようにも見えます.

あやふやなこと言うなって...?! すみません,誠にそのとおりです.(^^; もしかすると互いに切って切られての関係にあるのかも.

まあ,いずれにせよ(開き直り ^^;),南部北上帯北縁部の古生層最下部緑色岩類は,こういう岩相であるということです.

これは内野さんが見つけてきた話なんですが,伊豆-マリアナ弧のような海洋性島弧の地殻構成の半分以上は珪長質~中性の深成岩なんだそうで...reference ちょっと見つけられませんでしたのでアレですが,ソレイアイト質の全岩化学組成といい,結局南部北上の歴史はオルドビスかカンブリア紀かは分かりませんが,前期古生代の海洋性島弧としてスタートしたんじゃないか?なんて想像しています.

2010/02/26 10:36:00


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る