正法寺礫岩





会議続きでちょっとお疲れなので,単発ネタ.

このサンプルは,私のものではありません.誰のものだったのか,今どこにあるのかも分かりません.
地鉱教室が理学部旧館から6号館に引っ越す以前には,3階の廊下に展示されていたものです.展示場所は,どっちかというと東よりの第3講座の部屋に近い場所にあったと記憶していますので,もしかすると舟橋先生初め第3講座の方のサンプルだったのかもしれません.

で,何のサンプルかというと,母体層群の中に挟在する『正法寺礫岩』です.この特異な礫岩については,加納(1958)で初めて記載されています.要するに,花崗岩質岩礫を含む礫岩ということで,当時の加納先生の一連の研究に関連して報告されたものだと思います.

このサンプルでも,真ん中上部と右下のところに花崗岩質岩礫が見えています.顕微鏡的には,片岩の礫も含まれていたと思います.
私も正法寺礫岩の露頭は昔々に見に行ったことがあるのですが,水沢市(現奥州市)正法寺の向かいに小さな消防小屋があったのですが,その左に露頭がありました.しかし,風化と植生で,どこに礫岩があるのか,あまり良く分かりませんでした.サンプルも取れなかったと思います.

実はだいぶ前になりますが,加納先生から,正法寺礫岩の薄片をお借りしたことがあります.内野さんが根田茂コンプレックスの中から見出した含高圧変成岩礫礫岩との比較が目的でしたが...サンプル写真見てもお分かりのように,火山岩質礫岩で,根田茂のものとは,ちょっと性格は異なっているようでした.
その時,せっかくお借りしたんだから,薄片写真くらいは撮っておこうと思った記憶があるのですが,いくら探しても写真が出てきません.結局撮らなかったのかも.
私が心配するような筋合いのものではありませんが,加納先生の膨大な研究資料はいまどうなっているんでしょうね...

2010/04/12 14:27:52


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る