早池峰帯のコンパイル





今度は久しぶりに,早池峰テクトニクスの話でも.

我々KPG(北上古生層研究グループ)は早池峰山地域の調査を始めたのは1983年だったと思いますが,それから実質的には3年間で,1985年までにはほぼ全域の調査を終えていました.終えたといっても,2万5千分の1精度で全域の地質分布の大要を抑えたということでしたが.

その後,私自身の怠慢さも手伝って,その成果を世に問うことは,散発的な学会発表を除くと,出来ませんでした.その一つには,メンバーが全国各所に散在しており,顔を合わせるのが共同調査の数日のみ,それが年二回あるだけ,ということもあったような気がします.そおため,早池峰帯(くどいようですが,あえてそう書かせていただきます)の全域にわたる総合的な地質図も未完成なままに放置されていました.

ここに状況を打ち破るメンバーが現われました.早稲田大学から北大の大学院に入学してきた内野隆之さんです.当初は,当時私の研究室で大きなテーマだった北海道の白亜紀付加体+蝦夷層群というのも候補だったのですが,ご本人の希望で早池峰帯をテーマとすることになったわけです.

今考えても,これが大きな転機だったな...と思います.

上の地質図は,1983-1985年のKPGの調査結果を基にして,ある程度個別の地質図になっていたものを,内野さんがM論でコンパイル・清書してくれたものです.もちろん,いくつかの部分には内野さん自身の調査結果や考えが入っていると思います.作成時期は...1999年頃だったと.

このコンパイル図の意味するものは,多岐にわたるわけですが,それはおいおい書いていこうと思います.まずは,我々KPGの共通財産ということで.

2009/11/12 12:02:40


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