早池峰山forever...





この話題は,ある意味で私にとってけっこうつらいものです.しかし同時に,ぜひ書いておきたいものの一つでもあります.

南部北上古生層(特に石炭系)で博士号を取って,さてその次は?と考えたとき,やはりその外縁部に位置する『早池峰構造帯』が手を付けないわけにはいられない研究対象として見えました.それは下のアーティクルにあげた“テクトニックモデル”を見れば一目瞭然です.南部北上だけで古生代テクトニクスが解けるわけではまったくありません.

しかし,それは“付加体”“構造帯”という,古生層屋であった当時の私には,はっきり言うと無謀とも思える研究対象でした.私が代表を務めていた『北上古生層研究グループ(KPG)』の共同研究テーマとしてスタートしたのですが,その道のりは難しく苦しいものでした.

いや~...だんだん息が詰まってきましたね.(^^; KPGの早池峰構造帯研究は,すぐに限界が見え,その打開策として,母体-松ヶ平帯に検討範囲を広げたりしましたが,それが“致命傷”となって頓挫し,現在に至っています.

それを打開してくれたのが,早稲田大学から北海道大の修士課程に入学してきた内野隆之さんでした.このカテゴリーでは,内野さんとのコラボレーションで光が見えてきた『古生代テクトニクス』について,あれこれ書いていこうと思っています.内野さんの側から見れば,また別の風景が見えるのかもしれませんが...ここはあえて,あまり深く考えずに.

上の写真は,“早池峰構造帯”のシンボル,早池峰山です.この研究を始めた1983年頃に撮ったもので,撮影地点は川井村タイマグラ付近です.つまり東側から撮ったもので,左に見えるピークは薬師岳です.季節は春.この時は,新しいフィールドへの挑戦に心がわくわくしていたのを覚えています.その気持ちを象徴しているような写真で,私の宝物でもあります.

2009/07/21 14:52:12


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