日高主衝上断層露頭





前回書き込みから1ヶ月半以上...さすがに怠慢のそしりを免れませんね.反省.

先日,日高-えりも地域にちょっと出張してきました.目的は学生巡検の下見です.その時,たまたま通りがかったところに,左のような露頭と看板があったので停車して見たら,なんと『日高主衝上断層』の露頭でした.場所は様似町東冬島覆道のえりも側出口の先です.

この地域は,皆さんご存知かもしれませんが,『アポイ岳ジオパーク』に認定されているところで,元北大理学部の新井田清信さんがかんらん岩の研究,そしてジオパークの事業に長く関わった場所でもあります.新井田さんがどこかに日高主衝上断層の看板を立てたという噂は既に聞いていたのですが,ここだとは予想外でした.




露頭に近寄って見るとこんな感じで,ちょっと分かりにくいのですが,左側の金網のすぐ上から緩く右上に岩相境界が走っており,その上の黒色部が蛇紋岩,下の緑色部が変ハンレイ岩となっています.擁壁が立っていて隙間がなく,露頭に直接アクセスすることはできません.

で,この蛇紋岩が,幌満かんらん岩体の周縁部,変ハンレイ岩がポロシリ・オフィオライトのメンバーということで,両者の境界が日高主衝上断層ということになるわけです.
ただ,最初にこの露頭を見た時,岩体の左右関係が逆のような気がして,ちょっと違和感を感じました.あとからGPS記録で確認してみると,道路の向きはほぼ南北なので,左が北,右が南ということになります.つまり,蛇紋岩が北東⇒南西に衝上しているのでこう見えているということなのかも.
いずれにせよ,幌泉図幅の地質図表現とは位置や分布が微妙に異なっています.このへんはいずれ新井田さんに聞いてみようかと.




これは,説明看板のクローズアップです.ジオパーク(のジオサイト)ということで,外国人のために英語表記も加えられています.しかし内容は...けっこう専門的というか,一般の方には難しすぎるかもしれませんね.私は非常に勉強になりましたが.

ところでこの場所,見学には少し根性が必要かもしれません.道路が狭くて路側帯の幅がほとんどなくクルマを止めるのは一苦労です.私は路側帯がわずかに広がったところにぎりぎりに寄せて止めましたが...大型車の通行も多く,かなり怖かったです.

2014/05/19 14:08:14


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