サンゴの沢不整合-メインパート
で,これが涙の滝のすぐ上流部に出現したニニウ層群基底不整合です.撮影したのは豪雨から2年後の 2005年ですが,2003年以前は,たしかにこの露頭はありませんでした,というか,植生と崩れに埋まっていました.
真ん中すこし左のカメラバッグを置いてあるところのすぐ右が,ニニウ層群下部層と蝦夷層群との間の不整合面です.
不整合面自体の傾斜は蝦夷層群の層理面のそれに近く,60-70度あります.ニニウ層群中には右に見えているように砂のはさみ~レンズ(おそらく bar)が入っていますが,その傾斜は不整合面よりはゆるくて45度前後です.涙の滝の地層の傾斜は下に書いたように30度前後ですので,そういう意味では,アバット不整合ということになるのかも.
両層の堆積年代には8千万年近い時間差がありますが,見たとおり色調も似ていて,固結度もあまり大きな差がなく,うっかり見逃してしまいそうな露頭です.
これが不整合部分の拡大写真です.蝦夷層群の凝灰質砂岩には風化侵食面といえるようなものはなく,節理に沿った凹凸をニニウ層群の礫岩が埋めているような形態になっています.
この露頭は,2008年あたりから,またもや植生と崩れに覆われており,現在はほとんど見ることは出来ません.学生実習では,ジャスト部分だけ土堀りと川の水による洗浄をやらせて確認しています.
(以下続く...)
2010/09/07 15:19:52