釧路町初無敵海岸
サーバも停電から復活しましたので,久しぶりの地質ネタ書き込みです.
やっと(今年初めて?)自分自身のネタでフィールドに行ってきました.場所は,釧路町入境学~汐見~初無敵の海岸です.まったく難しい地名ですね.最初のは『にこまない』,最後のは『そむてき』と読みます.もちろんアイヌ語の当て字ですけど...この付近はこういう難読地名が多く,なかなか面白いです.
この日は波が結構高くて,潮風が吹いており,遠くの景色は白く霞んでいます.まず海岸に降りてみて『見込み違い』だったのは...事前に地形図や Google Earth で確認して,砂浜だと思っていたのが,ご覧のとおりの大礫浜だったことです.歩きにくいこと...
海食崖がすごい高いですね.優に百mはありそうです.なんでこの部分がこんなに上昇量が大きいのか,本題とは関係ありませんが,ちょっと別の観点から関心があります.
で,この海岸に露出しているのは,根室層群の最上部層?汐見層の成層シルト岩・細粒砂岩です.タービダイト互層というよりは,新第三系黒松内層のような沖合泥底相に見えるのですが,気のせいかもしれません.石灰質ノジュールやコンクリーション層を含んでいる層準があり,一部スランプしています.
しかし調査の目的はこれらの地層そのものではないのですが,これについてはまた別アーティクルで詳しく.
結局この歩きにくい海岸を 1.3kmほど歩き,疲れたのと潮加減が心配(大潮干潮時を狙ってます)になり,戻りました.
それにしても釧路海岸地域というのは,すごい地質サイトだな...と思います.こういうのが地質屋の間で評判になっていないのはなぜなんだろう? 私が知らないだけだったのかな? 還暦過ぎてこんなサイトを一人でとぼとぼ歩けるなんて,ちょっと感激でした.
2013/09/09 11:33:00