サンゴの沢不整合-おまけ
で,今年実習に行ってみたら,8月にちょっとした豪雨があって沖積が取り去られてしまったたようで,上流側の川の中に礫岩の露頭が出現していました.これはたしかに去年までは見えていませんでした.
で,足元露頭なので最初は気づかなかったのですが,礫岩の下に蝦夷層群の泥岩らしきものが見えています.最初は礫岩の中のブロックかとも思ったのですが,この写真のすぐ手前下流側の水流の下や右岸左岸の露頭はすべて蝦夷層群で,連続しているようです.となると,この露頭は,新たな不整合露頭になります.
真正面からクローズアップして見るとこんな感じで,見事な傾斜不整合の絵になっています.礫岩層の傾斜はほぼ水平なので,角度差は数十度あります.蝦夷層群の層理と節理からバリバリに割れたところを礫岩が埋めており,風化侵食面みたいなのはまったくありません.
おまけに,礫岩層はほぼ水平なのにも関わらず,下にあげた『混合不整合』の部分とは,すぐそこにあるのにもかかわらず,レベル差が数m以上あります.
となると,不整合面(面,というのは不適切かも)全体はまったくでこぼこなわけで,蝦夷層群の硬い岩石露頭をそのまま覆ってしまったみたいなイメージです.
こういうのを新たに『凹凸不整合』とでも呼ぼうかな? (^^;
最後にこれは,新しく出現した礫岩中の実に見事な蛇紋岩礫です.このほかに,蝦夷層群砂岩・変成泥岩・珪質高圧?変成岩・赤色チャート・閃緑岩~ハンレイ岩などの礫が含まれており,その礫種構成は,現在のサンゴの沢の河床礫とほとんど変わりません.
2千万年は経っているし,その間に一度海盆になっているはずなのに,後輩著がほとんど同じというのは,進歩のないやっちゃなぁ,と思います.:-p
侵食・上昇速度がこの間遅かったというはずもないので,ちょっと不思議です.単なる偶然なんでしょうか?
2010/09/08 11:32:45