サンゴの沢不整合-混合不整合?
涙の滝から不整合境界を越えて川をぐるっと曲がると,右側に,再びニニウ層群の礫岩の露頭が見えてきます.
要するに走向の延長部に来たんで,また同じ礫岩層が出てくるのは我々には当たり前のことなんですが,『地質図学』を事前に履修していない今のうちの教室の3年生には,なかなか理解しがたい難題となっています.
まあそういうとは置いといて,この上流側の蝦夷層群とニニウ層群との関係を見ると,下流側とはだいぶ様相が違います.露頭右手に小さな逆断層があってずれているようでもありますが,蝦夷層群の上面付近がかなりでこぼこしていて,おまけにそれがブロック化して礫岩中に取り込まれているように見えます.
ジャストバウンダリーに近寄ってみるとこんな感じです.真ん中付近がちょっと断層で乱れているように見えますが,蝦夷層群の凝灰質砂岩(YZ)がブロック上に破壊されて礫岩(Cg)の中に崩れていっているように見えます.
おまけに,蝦夷層群の層理面が剥離して,その中に礫岩が細脈状に入り込んでいる産状も見られます.
まあなんというのか...混合不整合とでも言うんでしょうか? おそらく礫質の土石流が地形面上に突出していた蝦夷層群を侵食破壊しながら流下した結果できたものではないかと想像しているんですが.
なかなかダイナミックなんですけど,学生実習用には,ちょっと説明が難しい露頭かな,と.でもまあ,島弧地域の河川成層による不整合なんて,みんなこんなものなのかもしれません.
2010/09/08 11:03:17