シューパロ不整合の今
このカテゴリーの下に,夕張市シューパロダム下流部の白亜系函淵層と古第三系との不整合露頭の話を書きました.その後,“新シューパロダム”建設に伴ってこの露頭は,失われることになったわけですが,今年の秋,建設途中の現場に入って不整合を確認する機会に恵まれました.2006年10月に続いて二度目ですが.
上の写真は,旧シューパロダムの提体上から撮った新シューパロダム建設現場です.建設はだいぶ進んでいます.これなら民主党政権の“ダム見直し”政策にはもはや引っかかってこないと思われますが.:-p
この向かって右側の提体奥にフリーフレームに覆われたところがありますが,これが以前の不整合露頭で,その基部のところに不整合面が露出していました.これも工事の進行でもはや覆われていることでしょう.
写真右側の薄緑色の部分が,白亜系函淵層の凝灰質砂岩です.左側のなにやら汚い部分が,石炭の破片を沢山含む細粒砂岩で,始新統石狩層群(登川層?)に属する部分です.
こうやって見ると,代表的な(かつ大規模な)不整合露頭でありながら,あまり感動がないですね.ダム建設以前の遠めに見た露頭写真がむしろはっきりしていたくらいです.まあそれは,地質露頭の宿命かと...『はっきり見えるとかえって分かりにくくなる』という.(^^;
石狩層群の基底にあたるところには,厚さ数cmの礫岩層があり,基底礫岩かと思われますが,函淵層の内部にも礫質部が見られたので,本当に基底礫岩かどうかは微妙なところです.
2006年に,まだ提体が載る前に見たときは,両層の間にちょうど破砕すべり面が挟まっていて,これも微妙なものでした.なかなか自然は手ごわいものです.
2009/11/10 14:03:08