鮪ノ岬の柱状節理
さてと...本来の地質ブログを再開することとします.地質ネタは昨年5月以来ですか...(汗)
これは,乙部町鮪ノ岬を北から見た全景です.『鮪』はマグロではなく,しび,と読みます.もちろんマグロのことなんでしょうけど.名前の由来は,鮪を横たえたようなその姿形にあるとされていますが,まあそんな感じですね.魚の腹のように,露頭の下部と上部で二分されているのが特徴です.
左に二つあるトンネルが国道です.珍しく非対面通行となっています.
相沼図幅によると,この安山岩は『突符火山岩類』とされており,江差層と館層の境界部を構成するもののようです.したがって時代は中新世後期ということになります.
国道トンネルを北に出たところには駐車帯が設けられており,写真のような柱状節理をかたどったモニュメントが設置されています.
道指定天然記念物となっており,右側にはなにやら説明書きがあるようですが,読みにくいので,ちゃんと読んでいませんでした.左に置いてあるのは,鮪ノ岬から採った原石のようですが,モニュメント本体は,色から言って別の石材なのかも?
駐車帯から降りて,ごろごろの海岸を歩くと露頭基部にたどり着くことができますが,上部からの落石がいかにも多そうな所で,かなり危険です.
写真のように,見事な多角柱状の節理の横断面と縦断面を観察することができます.これを見る限り,遠目に見えた二つの部分は岩相ユニットの違いというわけではなく,柱状節理が大きく湾曲しており,下部で垂直に近く,上部で水平に近くなっている,ためです.その変曲点付近で露頭面の向きが大きく変わるため,二つの部分に分かれているように見えるだけ,だと思います.
なお,この柱状節理が湾曲する理由ですが,私には良く分かりません.良く言われるのは,柱状節理は冷却面に垂直に発達するということなので,冷却面が単純な平面ではなかったということなのか...それとも溶岩の流走と何か関係があるのか? それとも?!
2015/02/25 12:26:42