夕張新炭鉱
せっかく作ったこの新カテゴリーですが,いざ書こうとすると,とにかく気が重いカテゴリーであるということに,いまさらながら気づきました.
私は2年生の講義『堆積学』を,18世紀の産業革命から説き起こすことにしています.この時代,人間の社会を根本から変えたのは,『効率の良い大エネルギー』を供給する石炭であったと.そして,石炭を知る学問は,黎明期の地質学=地層学そのものであったのだと.
これは戦後日本にとっても同じことで,石炭を掘ることこそが国民の生活基盤とその発展を支えたのだと思います.しかしいまは...
断っておきますが,私はこれまでの地質屋人生で炭鉱に関わったことはまったくありません.その歴史にも疎い方だと思います.そんな私でも,夕張を訪れてこのようなところに足を運ぶと,厳粛な気持ちになります.
ちゃんと知っているわけではないので,ネットで仕入れた知識で知ったかぶりをするのはやめましょう.でも,この写真の下に写っている二本の一升瓶がすべてを語っているのではないかと思います.
その前に立っている当時の,なんて言うのかな?『スローガン塔』です.そこに書かれている内容を読むと,ある意味運命の皮肉のようなものを感じます.
しかし,こういう場所で営まれてきたこの産業が,我々の社会の成長期を支えてきたということだけは忘れないようにしたいと思います.
2010/03/24 13:12:47