三笠奔別立て坑
10月も書き込みがたった2件に終わってしまいました.もちろんネタがなくて書けなかったわけではなくて,その逆というか...2学期の授業の準備とか(言い訳 ^^;).
で,このカテゴリも,せっかく立てたのに書いたのは実質まだ5件だけで,しかも夕張地域がほとんどです.というわけで,数あるネタから,再開してみようと思います.
この写真は,三笠市幾春別の奔別立て坑跡です.現在は民間会社の所有となっており,その敷地内にあるので,中に入って間近から見ることは出来ません.しかし,その会社の入り口門の近くや,東側を走る道路から見ることが出来ます.タワーそのものはかなりの高さがあるので,幾春別付近の国道からも良く見えます.なおこの写真,敷地内から撮ったようにも見えますが,そうじゃないです.柵の外ぎりぎりから撮ったもの.したがって撮影方向が限られているので,もろに太陽のゴーストが入っています.orz
横を通る道から望遠で取るとこんな感じです.すごい迫力ですよね.この立て坑跡がこの状態で放置されているのはなぜかは知りませんが,貴重な炭坑遺産として『このまま保存して欲しい』と切に思います.
実はある日,このそばをクルマで通りかかると,この大きな巻上げ滑車がからからと回っているのに気づきました.最初は錯覚かと思ったのですが,近づいてみると現実でした.なんで...?と,ぞわっとしましたが,どうやら折からの強風にあおられて自然に回り始めたもののようでした.
これは,立て坑の下部の建物です.なぜか外壁がすべて剥ぎ取られて,鉄骨のフレームや内部が赤錆びてむき出しになっています.
はじめはなぜこんな状態になっているのか分かりませんでしたが,調べてみると,閉山後の密閉作業中にこの立て坑でガス爆発が起こり,外壁をすべて吹き飛ばしてしまった,ということのようです.犠牲者も出ています.
この写真を撮ったときは中に吊るされている電灯が風に吹かれてカランカランと音を立てており,年寄りの私としては,ものすごく感情移入してしまいました.涙が出そうだった,と言い換えてもいいです.
思えば炭坑遺産というのは,地元にとってはいろいろな意味で『負の遺産』なのかもしれませんが.
そういえば幾春別では,別の立て坑ですが,2008年に立て坑内部の崩落による大規模な陥没が起きていますね.
2010/11/04 10:47:44