蝦夷層群中のコハク含有層


おことわり: このページは,この露頭を案内していただいたお二人のご意向により,2015年から今まで公開を保留していたものです.しかし観察時から8年が経過し,お二人もその後無事に国際会議でこの件を発表したようです.あまり先が長くない私としては,そろそろ公開しておかないと『そのまま』になってしまうのではないかと...そういうわけで,オリジナルの記述から場所を特定する手がかりをさらに削除・伏せ字とし,公開することにしました.
なお,当該露頭から採取された含コハクサンプルは,私が見学・観察する以前から某博物館に既に展示されており,そういう意味で“公開済み”のものです.
また言うまでもありませんが,以下の内容は,単に私の過去の地質学的活動を書き留めたもので,いかなる『学問的見解・知見』をも表明するものではなく,“科学的著作権”を主張することはありません.ご了解ください.
なお,このページは,Google Search Indexing のためのサイトマップには含めておらず,さらに nofollow も指定し,Google bot のクロールには引っかからないように配慮を施しています.これでインデクシングを完全に阻止できるわけではないと思いますが.

(2021/02/05)





このサンプルなんだと思います?...って,題名見れば分かるんですけど.砂岩中に散在するコハク片です.なんかジュエリーぽいと言うか,美しいです.ちょっとシュールな感じとでもいうか.

実はこれ,蝦夷層群から採取したものです.蝦夷層群からのコハク産出というと,おそらく疋田ほか(2007:古生物学会発表)が初出だと思いますが...私は今回初めてこんなものがあるのを知りました.
で,産地ですが,『特に場所を秘す』こととします.現在研究中の方がいらっしゃるので,その配慮という意味も.『蝦夷帯某所』とだけ書いておきます.一昨年の秋に,HAZさんと学生さんのご案内で見ることができました.




コハク含有層の母岩相です.層準は蝦夷層群下部層準ですが,直下には上部空知相当の灰緑色細粒火砕岩が出てきますので,蝦夷層群最下部ということになるのかも.
岩相は厚層タービダイト互層で一部に礫岩層を挟み,砂岩層の単層厚は数十cmに及びます.ラミナの構造を見ると分かりますが,生痕が豊富に発達しています.




これは,露頭写真ですが,コハク含有部を層理面に平行な面で見るとこうなっています.いや~...すごいですね.大きなものでは径15cmくらいのものもありました.黒い斑点状のものは生痕です.
コハクの産状ですが,タービダイト単層上部の平行葉理部に単体で含まれるものや,タービダイト単層間の不淘汰・未分化シルト中に散在するものなどがあります.前者はなんとなく通常砕屑粒子の挙動と言えますが,後者は...? いずれにせよ,かなりバラエティに富んだ産状という印象でした.




タービダイト葉理部の陸上植物化石破片密集部です.すごいです.そう言えば,千呂露川の蝦夷下部層準にも,石炭薄層があったな...あそこも探せばコハク見つかるかも.

ということで,このコハクの意味ですが...まずは久慈琥珀みたいに陸成(河川成)層中にぼこぼこ入っているという産状でなくて安心?しました.ある意味で言うと,蝦夷下部層準で慣れ親しんだ厚層タービダイト中の砕屑物だったということで.コハクは比重が小さいので,かなり粗粒なものでも定着せずに運搬されるでしょうから.

しかし,その元々を考えると,(陸上植物破片の大量さと言い)やはりなにかカタストロフィックなイベントが必要なのかな?という気がします.私がイメージしたのは,氾濫原に繁茂する樹木の下に散在する樹脂塊が大洪水で大量に移動して海域へ...というものでしたが,もしかすると津波とかの天変地異も考える必要があるのかも?!

2015/02/26 12:05:57


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