吊り橋下の千呂露層





吊り橋下って...どこの吊り橋かというと,日高町岩石橋下流の沙流川本流にかかる吊り橋です.これは(想像ですが)沙流川南岸に小規模な集落(四区だったかな?)があり,そこから沙流川対岸にあるバス停に行くための吊り橋なんだと思います.現在はバス停も廃止?されており,吊り橋も通行禁止になっているみたいです.

で,この吊り橋の下に出ているのは,いわゆる上部空知層群に属する千呂露層の泥岩と珪長質凝灰岩の互層です.写真の向こうの対岸は,蝦夷層群下部~中部層準の良好な露出すのある滝の沢の出会いです.蝦夷層群下部層準と千呂露層の関係はここでは露出欠如により不明ですが,おそらく整合的なんじゃないかと...




互層は,このような暗灰色泥岩と緑灰色凝灰質泥岩および白色の珪長質凝灰岩の薄互層からなっています.いかにも上部空知っぽいというか.
これが,海洋プレートトラップで生じた前弧海盆の初期堆積物ということになります.そういうアタマで見るとなんとなく感動しますね.




これは,葉理に富む珪長質凝灰岩~凝灰質砂岩です.けっこう粗粒だというか...まあ全体に半深海性堆積物であることは間違いないんでしょうけど,なにかイメージに狂いが生じてしまいます.
そもそも,前弧海盆発生初期の堆積物中に,なんでこんな粗粒な珪長質火砕物が含まれなくてはいけないのか...新井田・紀藤(1986)なんかを見ると,一般的には西方大陸上の火山活動ということになっていますが,どうもよく分かりません.高嶋さんらの言っている『上部空知=ジュラ紀島弧』という可能性も捨てがいという気もします.




ちなみにこの写真は,滝の沢出会いに露出する千呂露層の泥岩と凝灰質砂岩互層です.全体に非常に変形しており,層面平行伸長変形が著しいです.こういう変形はいつのステージでできたものなんでしょうね?

2015/03/04 11:05:07


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