下部蝦夷ってやつは...?





あまり書き込みの間が空くとまずいので,とりあえず,話の短いやつを書いてしまおうという姑息な態度.(^^;
話が短くすむというか...実は真面目に書くと長くなるのですが,『良く分からん』という話なので,さらりと書いてしまおうと.ますます姑息.

蝦夷層群の下部層準,つまり昔『下部蝦夷層群』と言っていたあたりの話です.●●蝦夷層群という名称は金輪際使いたくないので,下部層準と表現しているわけです.

この写真に写っているのは,厚層タービダイト砂岩互層中の石炭薄層ですね.かなり大きな陸上植物の炭化破片も見えています.場所は日高町千呂露川支流春別沢川(有名な静内春別川とはまったく別)の下流部です.
このすぐ上流側には,いわゆる上部空知層群にあたる緑色細粒火砕岩が露出し,すぐに枕状玄武岩が出てきますので,蝦夷層群の最下部層準にあたる事は間違いないと思います.

さて...石炭の成因って,私にはよく分からないことが多いのですが,少なくとも陸上植物破片の集積が必要ですよね.蝦夷層群の下部層準って,一般に『海溝のジャンプによって形成された前弧海盆』の初期の陸源性砕屑物ということになるわけですから,こういう石炭層や陸上植物化石って,どうもしっくりこないです.上部空知はほとんど『半深海性』であって陸源砕屑物も降下火山灰以外は到達しない堆積場と考えられているわけですから.

となると,高嶋さんらの言っている空知=ジュラ紀島弧説が上記テクトニック像の alternative として俄然光を浴びてくるわけですが...

とは言っても,蝦夷層群下部層準は,実は非常にデータの少ない部分なので,もっともっと客観的なデータの集積が必要とされるところです.

2010/05/21 11:13:39


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