クリノ沢の含礫泥岩体-その1





さて...これがクリノ沢の蝦夷層群の中の最大のトリックスター.こいつにはかなり翻弄されました...というか,いまも翻弄され続けています.
いわゆる蝦夷東帯の検討の最初のステージでこういうのにぶち当たったのは,不幸と言うべきか?それともラッキーと言うべきか? なんとも分かりません.

前弧海盆堆積体中の含礫泥岩体です.左の部分柱状で見るとおり,タービダイト部の直下にあります.クリノ沢では含礫泥岩体の下底は断層で切断されて緑色岩と接しており,下が欠けていますが,その部分は上アブカサンベで連続して見ることができます.

しかし,クリノ沢の含礫泥岩体はその含礫率の高さなどで,迫力の露出になっています.それが右の写真です.




スケールになっているのは,当時修士在学中の望月貴君です.
それにしても,含礫率もそうですが,礫の大きさもかなりの迫力です.礫はほとんどが緑色岩ですが,少量のチャートや火山性砂岩を含んでいます.




左のサンプルは,スケールがありませんが,さしわたし50cm位のでかいサンプルで,たしか植田勇人さんが担ぎあげたものだと思います.私にはとても無理です.

この含礫泥岩は,上の柱状図でお分かりのように,もっと上の層準,タービダイト部の上位の成層シルト岩のところにも,薄いものが挟在しています.

さて,これはいったい何者? なぜこんな(不整合直上の)層準に? いまだによくわからないのですが,とりあえず,どんなものか記述していきたいと思います.

2012/04/17 15:18:08


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