大黒岩の礫岩層





根室層群昆布森層ネタ,その2です.

釧路町老者舞(おしゃまっぷ)の漁港内には,このようなこんもりした露頭があり,『大黒岩』と呼ばれています.名前の由来は知りませんが.
で,この大黒岩,ご覧のように見た目も立派な礫岩そのもの.私は最初見た時,古第三系の挟炭層(浦幌層群)のメンバーかと思いましたが,昆布森図幅によると,前弧海盆堆積体根室層群上部,昆布森層の老者舞礫岩部層ということのようです.地層は緩く海(S)側に傾斜しています.




近寄って見ると,このような見事な成層礫岩です.礫岩の中には薄い砂岩層~レンズも挟在しています.礫径は大きく,最大で数十cmに及びます.

うーん...(て,悩んでいるのですが),私は最初これを見た時,河川成層だと思いました.フィールドノートにもそう書いてあります.少なくとも traction load からの堆積物ですよね? 砂岩レンズはbarだろうと.
でも,昆布森層(というか根室層群全部)は海成層なんですよね...となるとどういうことになるんだろう.チャネル埋積の堆積体とか...? 正直良く分かりません.前後の堆積物の堆積相を見たわけでもないので.




礫種は(顕微鏡的に確認したわけではありませんが),おもに砂岩泥岩などの堆積岩が多く,なんとなくホルンフェルス化しているように見えます.もちろん,花崗岩質深成岩礫(中央)もある程度含まれています.
昆布森層の時代は古第三紀暁新世(ca.50 Ma)ですから,当然その時期よりも前の深成岩活動があったことになります.いったいどこから来たんでしょうか? 少なくとも現在の北海道の内部にはそのハイマートは無いですよね.

なんだか私には分からないことだらけだ.(-_-;

2015/03/05 13:31:19


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