北大臨海実験所裏の根室層群
厚岸の北大臨海実験所裏の露頭です.実は理学部で出しているなにかの紹介パンフレットに,海側から(船上から)撮った臨海実験所の写真が掲載されていて,その背後には立派なタービダイト互層の露頭が写っていました.これはすごく印象的で,いつか見に行きたいものだと思ってました.
ということで,行ってみました.入り口の細い道のゲートには『部外者立ち入り禁止』の文字がでかでかと貼ってありましたが,私は理学部の人間だし部外者ではないだろう,とアポも取らずに勝手に.
実験所の玄関に着くと,人の気配がほとんど無く,ん?と思いましたが,声をかけると事務の方と思しき人が出てきました.理学部地球科学教室のものだと告げると,快く立ち入りを許可していただきました.
で,さっそく建物の裏へ回ると,パンフレットで見た見事なタービダイト互層の露頭が見えてきました.しかし,なんか変形の匂いがする...
さらに接近すると,こんな露頭が私を出迎えてくれました.まあ単純に考えるとスランプ体の崩壊部なんでしょうけど,見ようによっては,伸長破断互層と見えないこともない.泥質部を見ると,気のせいか,層面剪断劈開のようなものも見えます.
白状してしまうと,どうもスランプというのは良く分からない.こういうものが表成崩壊体として出来ていいのかな?? まあいいのかもしれないけど,新第三系のスランプでよく見かける,いかにも半固結の地層が壊れたブロックなんかとは,どこか違うように見えます.けっこう強度のあるコンピーテント層がそこそこの封圧下で剪断したみたいな...深層岩盤滑り,なんて言葉もあるけど,要するにどういうものなのかな...? イメージが不明瞭のままで,俯いて帰ってきました.
言い忘れましたが,この地層は厚岸層です.
2011/07/26 15:07:18