芦別三段の滝
夕張から上芦別に抜ける国道沿いにあるところですが,この下流から富良野側に抜けるトンネルが開通してから,札幌から富良野への近道として,交通量が異常に増えたルートでもあります.このルートでは貴重なトイレ休憩をとれる駐車場所でもあります.
場所としては,芦別川の上流,幌子芦別川との合流点のすぐ下流のところです.駐車場から川の方へ降りて行く遊歩道があり,そこからこのような迫力ある流れの滝(というか,段差?)の景色を見ることができます.
遊歩道に立っている看板には『両岸の岩磐をぬって』とあるように,静かな芦別川の(蝦夷層群泥岩の)中に突然ごつごつした固い岩層が出現する,といった雰囲気です.
この岩石は,淡灰緑色の成層した粗粒砂岩で,遊歩道の脇などにも露出しているので,その岩相をよく観察することができます.
地層としては,蝦夷層群羽幌川層月見砂岩部層と呼ばれるもので(Takashima et al., 2004),いわゆる『上部蝦夷』の泥質細粒相の中の珪長質火山性砂岩相とされています.
ところでこの砂岩層,気のせいかもしれませんが,層理面が緩くうねっているところが多く,ハンモック砂岩か?とも思えるのですが,どうなんでしょうか? Takashima et al. (2004) では,月見砂岩部層の模式地である月見沢では外側陸棚の(高密度)タービダイト砂岩であるとされていますが,内側陸棚~外側外浜の堆積相も含むとされていますので,あながち的外れではないかも?!
ちなみに,高嶋ほか(2010)の地質図では,(いま気づいたのですが)三段の滝のところの月見砂岩部層の塗色は消されています.単なるミスなのか,それとも解釈が変更されたためなのかは不明です.
2014/05/21 11:07:41