知方学の地震岩?
今度は根室層群です.釧路町知方学...難しい地名ですね,『ちっぽまない』と呼びます.もちろんアイヌ語の当て字です.知方学の海岸に出て東側を見ると,こんな立派な露頭があります.平面に切り取ったような崖で,まさに岩壁と呼ぶにふさわしいものです.こんなところをわざわざ切土して人工斜面にするとも思えないので,自然にできたものなんでしょうね...
近寄ってみると,厚層理の砂岩と礫岩の互層からなっています.床譚図幅によると,根室層群昆布森層の上部,去来牛(さるきうし)礫岩部層ということのようです.ただ,私の目が腐っているのか,なんだか河川成層のように見える...写真中央上の礫岩層中の砂レンズはbar堆積物のようにも.昆布森層は海成層のはずなので...良く分かりません.なんか誤解しているのかも.
で,この去来牛礫岩部層の砂岩層,良く見ると,見事なコンボルーション構造をしています.露頭面が垂直・平らなのでスケールを置けないのですが,だいたいコンボルート部の単層厚は1 mくらいだっと記憶しています.けっこう規模が大きいですね.これはやはり,地震岩(seismite)と言えるんじゃないでしょうか? ,また露頭上部は近寄って見れないので詳細は不明ですが,全体にスランプ変形をしているようにも見えました.
ちなみにこの『地震岩』という名称,あるゼミである発表者が使ったら,専門外の方から『地層の名称として成因を含んだ語を使うのは適切か?』というコメントがありました.確かにそれも一理ありますが...誰でも知ってる・使ってる『タービダイト』も成因名の最たるものですからね.あまり使われないけど,『暴浪岩(tempestite)』なんてのもありますね.どちらも平凡社地学事典に載っています.どうも,堆積屋は成因名が好きなんだ,ということらしいです?!
2015/03/04 13:47:19