尻岸馬内川のタービダイト砂岩
これもかなり古い記録なので,早いとこ書いてしまいます.
場所は,芦別市というのか富良野市というのか...なにしろ尻岸馬内川自体が市境界なので,右岸側が芦別市,左岸側が富良野市ということに.となるとこの露頭は芦別市ということになるのかな?
まだ雪が積もっていますが,撮影日はGW明けの2004/05/09 です.ご覧のように見事な厚層タービダイト砂岩で,地層としては蝦夷層群シューパロ川層下部の礼振峰(れふれっぷ)砂岩部層(Takashima et al., 2004)ということになります.
いわゆる従来の『下部蝦夷層群』に相当するところですが,私はこの言葉・用語は意地でも使いたくないので,『蝦夷層群下部層準』と呼んでいます.長たらしいし語感もすっきりしないのですが,なにしろ意地なんですから仕方がない.
で,このタービダイト砂岩,厚層粗粒で,いわゆる『高密度タービダイト』,Shangumam 風に言うと『砂質土石流堆積物』ということになると思います.癒着というほどではないのですが,砂/泥比の高い見事なタービダイト互層で...実は,蝦夷層群下部層準の典型露頭として扱おうとさえ思った露頭です.それで,あれこれ検討してみようとサンプルをけっこう採ったのですが,持ち帰って切断して検討してみたら,なぜか妙に炭酸塩鉱物が多くて変質しており,おまけにそれが風化している...がっかりしました.なかなか世の中は思うようにはいきません.
これは,多少層準は違うかもしれませんが,近傍の砂泥互層の層理面(の上面)に認められたリップルマークです.まあやっぱりこういうのは,底層流による rework なのかもしれませんね.
ちなみに写真右下にちょこっと写っているのは,当時の卒論生だった森谷明博君です.いまどうしているかな?
2014/05/21 12:35:17